広告を出稿するならYoutube広告?Tver広告?
オールドメディア対インターネットメディアの力関係が変わってきた時代の広告とは
動画広告市場は日本国内でも急速な成長を遂げており、企業のマーケティング戦略においてその重要性はますます高まっています。
最近では、選挙等においてメディアの影響力の変化が顕著となり、オールドメディア対インターネットメディアという対比が行われるようになりました。
インターネットメディアの方が力を発揮する場面も増え、かつての主役であったテレビ広告は右肩下がりで勢いを失っています。
そんな中、YouTubeを筆頭とするインターネット動画広告の前線において、テレビメディアの強みを復活させつつあるのがTverなのです。
日本の民放公式テレビ配信サービスとして独自の地位を築くTver
この活況な市場において、特に注目を集める二つのプラットフォームが「YouTube」と「Tver」です。世界最大の動画共有プラットフォームであるYouTubeと、日本の民放公式テレビ配信サービスとして独自の地位を築くTver。
どちらも強力な動画広告媒体ですが、その特性や強みは大きく異なります。
YouTube広告とTver広告、それぞれの媒体特性、ユーザー層、ターゲティング能力、広告フォーマット、費用対効果などを詳細に解説し、どのような目的やターゲットに対してどちらのプラットフォームがより適しているのかをご紹介します。
Youtube vs Tver プラットフォームの規模
YouTube広告:月間7,100万人以上の圧倒的シェア
YouTubeは、世界中で数十億人、日本国内だけでも月間7,100万人以上が利用する、圧倒的な規模を誇る動画プラットフォームです。
この膨大なユーザーベースは、広告主にとって、性別や年齢を問わず、極めて広範な層へアプローチできる大きな可能性を意味します。
実際、日本における認知度は96.5%、利用率も67.7%と、他の無料動画サービスを大きく引き離しており、動画プラットフォームとしての地位は揺るぎないものがあります。
YouTubeの魅力は、そのリーチの広さだけではありません。
ユーザーが投稿する多種多様なコンテンツから、プロが制作した専門的な動画まで、あらゆるジャンルのコンテンツが混在しています。
これにより、ユーザーは自身の興味関心に基づいて能動的に動画を検索・視聴するため、多様なニーズを持つターゲット層にリーチすることが可能です。
Tver:月間アクティブユーザー数は3,500万と急成長
Tver(ティーバー)は、日本の民放テレビ局が連携して提供する公式のテレビ番組配信サービスです。
ドラマ、バラエティ、アニメ、報道番組など、各局が制作した質の高い番組を、放送後一定期間、無料で見逃し視聴できる点が最大の特徴です。
近年、Tverはその利便性とコンテンツの魅力から急速にユーザー数を伸ばしています。
月間アクティブユーザー数(MAU)は3,500万MUB(月間ユニークブラウザ数)を超え、一部資料では4,000万MUBに達するとも報告されています。累計アプリダウンロード数も7,500万を超え、月間動画再生数は4億回を突破するなど、その成長は目覚ましいものがあります。
特に注目すべきは、コネクテッドTV(CTV)での視聴が急増している点です。インターネットに接続されたテレビデバイスでの視聴は、この2年ほどで約3倍に増加しており、リビングルームでの「テレビのような」視聴体験が広がっていることを示唆しています。
これは、テレビCMに近い感覚で広告を届けられる可能性を示しています。
【広告比較】YouTube広告とTVer広告、30万円で効果的なのはどっち?
広告予算30万円を投じた場合、YouTubeとTVerではどちらが効果的なのでしょうか?
熊本県のエリアをターゲットに、同額の予算と広告を利用して配信比較を行いました。
今回は、数値シミュレーションをもとに、両者の特徴・メリット・デメリットを整理し、それぞれに適した用途を考察してみます。
📊 数値で見る広告効果の違い
項目 | YouTube広告 | TVer広告 |
---|---|---|
インプレッション数 | 666,666回 | 100,000回 |
クリック数 | 1,333回 | 130回 |
完全視聴数 | 90,400回 | 92,380回 |
CTR(クリック率) | 0.20% | 0.13% |
完全視聴率 | 13.56% | 92.38% |
CPM(1,000回表示あたりのコスト) | ¥450 | ¥3,000 |
CPC(クリック単価) | ¥229 | ¥2,228 |
✅ YouTube広告のメリット・デメリット
◎メリット
- 圧倒的なリーチ力
67万回以上のインプレッションが可能で、幅広い層への認知拡大に向いています。 - クリック誘導に強い
クリック単価が約¥229と安価で、Webサイトやキャンペーンページへの誘導にも適しています。 - コストパフォーマンスが高い
CPMも¥450と低く、限られた予算でも効果的に配信できます。
△デメリット
- 完全視聴率が低め(13.56%)
興味が薄いユーザーにはスキップされやすく、深い印象を残すにはやや弱い面も。
✅ TVer広告のメリット・デメリット
◎メリット
- 驚異的な完全視聴率(92.38%)
多くの視聴者が広告を最後まで見ており、ブランドメッセージをしっかり伝えたい場合に有効です。 - TV視聴に近い環境
リビングなどで落ち着いて見てもらえる可能性が高く、商品イメージや世界観を丁寧に届けるのに向いています。
△デメリット
- クリックやアクションには不向き
CPCは¥2,228と高く、Web誘導を目的とした広告にはコストがかかります。 - リーチが限られる
同じ予算でもYouTubeの6分の1程度のインプレッション数で、拡散力は限定的。
💡目的別に見る使い分けのポイント
目的 | 向いている媒体 | 理由 |
---|---|---|
認知を広げたい | YouTube | インプレッション数が圧倒的 |
サイトへの誘導・CV獲得 | YouTube | CPCが安く、クリック数が多い |
ブランドイメージを丁寧に伝えたい | TVer | 完全視聴率が高く、視聴態度も良好 |
CMを“最後まで見せたい” | TVer | テレビ視聴に近い形で訴求できる |
📝比較まとめ:どちらが優れているかは“目的次第”
YouTubeは「広く薄く拡散して、アクションにつなげる」広告。
TVerは「狭く深く、しっかりと印象に残す」広告。
数字だけを見ればYouTubeが優位に思えますが、「何を目的にするか」によって適した媒体は異なります。
youtube広告やTver広告の使い方としてよくあるのはテレビCM素材の流用です。
テレビCMは、その特性上、 視聴者の興味を惹きつけるために最後まで企業名を出さない広告が多いです。
しかし、インターネットの動画広告はスキップができるために、5秒以内にブランド名を出さなければスキップされて、何の認知もされなくなります。
なので、既存のテレビCMをそのまま利用するのであれば、TVerの方がしっかりと見てくれる印象があります。
それぞれの広告媒体を深掘りします。
広告媒体としてのYouTube
ユーザー層と視聴行動
YouTubeは、幅広い世代に支持されるプラットフォームです。
若年層はもちろん、近年では中高年層の利用も増えており、性別や年齢に偏らず、多様なユーザーが集まっています。
そのため、さまざまな商品やサービスにとって潜在顧客と出会えるチャンスが豊富です。
ユーザーは興味のあるキーワードで検索したり、お気に入りのチャンネルを登録したり、おすすめ動画を次々と視聴するなど、積極的に情報を探したり楽しんだりしています。
また、PCやコネクテッドTV(CTV)での利用も拡大しており、視聴環境が多様化している点も見逃せません。
広告の特徴
YouTube広告は、多彩な広告フォーマット、精密なターゲティング、そして柔軟な課金体系にあります。
まず、広告フォーマットは目的に応じて選べる豊富さが特徴です。
たとえば、スキップ可能なインストリーム広告は、動画の再生前後や途中に表示され、5秒後にスキップが可能。視聴者が30秒間(または短い広告なら最後まで)見るか、広告を操作すると課金されるCPV(視聴課金)が一般的で、最初の5秒で興味を引きつける工夫が鍵となります。
一方、スキップ不可のインストリーム広告は最長15秒で、メッセージを確実に伝えたい場合に有効です。
他にも、検索結果や関連動画に表示されるインフィード動画広告、6秒間の短いバンパー広告、YouTube以外で表示されるアウトストリーム広告、ホーム画面最上部のマストヘッド広告など、選択肢が豊富です。
ターゲティングは、Googleの膨大なデータを活用することで非常に細かく設定できます。
年齢や性別、地域といった基本情報に加え、ユーザーの興味関心、購買意欲の高い層、検索履歴やサイト訪問履歴に基づくカスタムオーディエンス、自社サイト訪問者へのリマーケティングなどが可能です。
さらに、特定のキーワードやチャンネル、動画を指定して広告を表示することもできます。
課金体系も柔軟で、CPV(視聴課金)、CPM(インプレッション課金)、CPC(クリック課金)から選べます。
特にスキップ可能な広告では、興味を持ったユーザーの視聴にのみ費用がかかるため、コスト効率が良いのが強み。
ただし、動画制作にコストと手間がかかる点は考慮が必要です。
YouTube広告は、圧倒的なリーチと詳細なターゲティングを組み合わせることで、認知拡大からニッチな層へのアプローチまで、幅広いマーケティング目標に対応できます。
広告媒体としてのTVer
プラットフォーム概要と成長
TVerは、日本の民放テレビ局が連携して提供する無料の見逃し配信サービスです。ドラマやバラエティ、アニメ、報道番組など、質の高いコンテンツを放送後一定期間視聴できるのが特徴で、その利便性と魅力から急速に成長しています。
月間アクティブユーザー数は3,500万〜4,000万MUB(月間ユニークブラウザ数)を超え、アプリダウンロード数は7,500万を突破。特に、コネクテッドTV(CTV)での視聴が急増し、この2年で約3倍に増加するなど、リビングでの視聴体験が広がっています。
ユーザー層と視聴環境
TVerのユーザー層は10代から70代までと幅広く、やや女性寄りの傾向があります。特に18〜34歳の若年層でリーチが高く、ドラマやバラエティが人気です。
女性はドラマ、男性若年層はバラエティをきっかけに利用を始め、他のジャンルにも興味を広げる傾向が見られます。
広告は民放の質の高い番組内で配信されるため、ブランドイメージを損なうリスクが低く、「ブランドセーフティ」が確保されています。
また、CTVの普及により、リビングでリラックスしながら集中して視聴する「リーンバック」な環境での広告接触が増えています。
広告の特徴
TVer広告は、視聴環境を活かした独自の強みを持っています。
主流は番組の前後や途中に挿入されるスキップ不可のインストリーム広告で、視聴完了率が96%以上と非常に高いのが特徴です。
これにより、広告メッセージを最後まで確実に届けられる点が大きなメリットです。
ターゲティングは、年齢、性別、居住地といった基本属性に加え、番組ジャンルや特定の番組、視聴履歴から推測される興味関心(TVerアフィニティ)に基づいて設定できます。
ただし、YouTubeほど個々の行動データを細かく反映するわけではないため、粒度は少し粗めです。
課金モデルは主に2つ。CPM(インプレッション課金)は広告が1,000回表示されるごとに固定料金が発生し、予算管理がしやすいのが特徴です。
一方、CPCV(完全視聴課金)は広告が最後まで視聴された場合にのみ費用がかかり、オークション形式で柔軟に運用できます。
特にブランディングを重視するキャンペーンとの相性が良いと言えます。
TVer広告の価値は、質の高い番組環境と高い視聴完了率に集約され、CTVの成長もその魅力を後押ししています。
まとめ
YouTube広告はリーチとターゲティングの柔軟性で多様な目標に対応し、TVer広告は高い視聴完了率とブランドセーフティでブランディングに強みを持ちます。
自社の目標、ターゲット、予算を考慮し、最適なプラットフォームを選ぶことが重要です。
動画広告の活用を検討中の企業の方は、ぜひ私たちにご相談ください。
当社はYouTube広告もティーバー広告も配信代行可能です。
特にテレビCM素材は持っているけど、活用できていない企業様はぜひご検討ください。
貴社の課題に合わせた戦略と実行プランを提案し、成功をサポートします。
料金
初期費用:3万円(広告素材ご提供想定)
区分 | 広告出稿費用 | 運用手数料 |
---|---|---|
出稿費用 | 20万円以内 | 30,000円 |
出稿費用 | 20万円を超え40万円以内 | 40,000円 |